大学院てどんな所? 社会人から大学に入るには? どうして大学院なの?

森田 千恵の大学院レポート 連載 第3回
第3回 情報収集はどうやるの?
今回は、最初に戻るようですが、どうやって大学院入試の情報を集めたか、大学を選ぶ場合はどうすればいいかについて書いてみます。
私は、家族社会学、ジェンダーを学びたいという強い動機がありましたし、Y先生の著書を読み、この先生のゼミを受けたいというはっきりした思いがあったので、東京学芸大を受験することにあまり迷いませんでした。しかしジェンダーならB大学もいいのではないかという他の選択肢もありました。ただ、B大学がいわゆる偏差値の高い大学だったため、自分に手が届く大学ということで東京学芸大を選んだのです。学部から社会学、女性学をやっていれば、レベルの高い大学を受験したかもしれませんが、そこまで自信はありませんでした。
自分が学部で卒業した大学もそこそこ偏差値が高かったのですが、なにしろ大学での勉強から離れて20年がたっています。その間英語はときどき仕事で使っていましたが、ここ7〜8年はほとんど勉強していませんでした。さらに、今は子どもの世話や家事という負荷もあります。高望みをするよりは、自分に手が届く大学で、まず社会学、女性学をきちんと学ぼう、まずは学問するための自分の土俵を確保しよう、そんなスタンスでした。そうそう、東京学芸大を選んだのは、自宅から近かったということも大きな理由です。家から自転車で約20分、雨天のときは電車で一駅プラス徒歩でも30分弱で行くことができます。主婦で大学院に行くとか、仕事と大学院を両立させたいという人には、通いやすい大学を選ぶのも重要なポイントでしょう。
学費も大きな問題です。国立大は、やはり私立大に比べて学費が安いのでおススメです。加えて、何かの事情で休学する場合にも、国立大は休学する年度の学費は払わずにすむそうです。(念のため、実際に自分が入学したい大学に確認をしてください。)私の知人でも博士課程の途中に休学して出産をし、その後無事博士号を取得したという猛者がいます。
大きな悩みのひとつに、どれくらいの力をつけていれば、大学院に合格できるかわかりにくいということがありました。大学院の先輩の話では、一般の大学入試に比べて、一律に難易度を測れる指標(=偏差値のようなもの)もないようですし、大学院入試は見通しがつけにくいようです。中には大学院入試のための予備校に通っていた人もいます(この方は学部を出てすぐ大学院を受験した人です)。予備校では科目ごとの受験指導はもちろん、合格の目安を含めて、進路相談もしてくれたので助かったということでした。色々な大学で非常勤講師をやっている人がそのような予備校で講師をやっているので、同じ専門の先生はどの大学院に誰がいて、どういう研究をされているという情報も教えてもらえたそうです。
また、大学院の受験準備をしているとき、ある情報に行き当たりました。それは、「大学院は教授などにコネがあった方が受かる」というものです。これも口コミ情報なので、真偽のほどはいまだにわかりません。ひとつには学部から同じ大学の大学院に行く学生だと、教授にとってもテストだけでは判断できない学生の力を把握できているので安心だという意味だと思われます。さらに教授の研究領域も厳密にいうとかなり細かい区分がありますので、自分が学生を効果的に指導できるかどうかも、以前から知っている学生だと判断しやすいです。
実際、大学院に入ってみると、まったくコネがない人も入っているようですし、以前からコンタクトしていた人もいるようです。まずは第一の合格基準はもちろん学力で、同じ学力の人があまりに多かったときは、試験前から少々接触のあった人の方が有利ということはあるかもしれません。
大学院受験を考えていて、以前学部時代にお世話になった教授に相談に行けるようでしたら、紹介してもらえるものはお願いした方がいいでしょう。先に書いた予備校でも、たとえコネがなくても、受験の前にアポをとって先生に会いにいっておいた方がよいというアドバイスをしているとのこと。自分にとっても試験より前に、その大学で本当に自分が学びたいことを学べるか判断できる機会になります。
最後に組織的な情報源として、大学のHPを検索することと、「大学入学情報図書館RENA」を紹介します。現在、ほとんどの大学がインターネット上にサイトをもっているはずですし、詳しいHPになると教授陣の今までの研究テーマや著作、学生の卒論や修士・博士論文の題目まで見ることができるものもあります。大学の先生の中には個人でHPをもっている人もいて、大学のHPから飛べるようになっていたりします。
「大学入学情報図書館RENA」は、個人なら入会金2,000円、年会費3,000円で入会できます。社会人で短大・大学・大学院入学を考えている人のための情報を提供してくれる図書館です。(高校生で大学入試を考えている人、大学在学中で他大学へ編入を考える人の情報ももらえます。)RENAとは、Recurrent Education Network and Alternatives の略です。HPがとても充実していて、会員でなくても見ることができます。アドレスは、 http://www.rena.gr.jp/ です。ぜひのぞいてみてください。
会員になるとニュースの購読ができ、また過去の入試問題、先輩の合格体験談、大学の願書や入学案内の送付のサービスも受けられます。図書館自体は大阪市にしかありませんが、全国の大学情報を網羅しています。(ちなみに過去の入試問題を解いておくことは必須ですが、自分の受ける大学院の過去問題は、入試課に足を運べば、コピーをさせてもらうことが可能です。)
私自身がRENAを知ったのは、5年ほど前に最初に大学院へ入学を考えていたときです。その頃は、自分がどういう分野を勉強したいか確定できず、事情も許さなかったため、受験はしませんでした。また、私の興味ある分野が社会人入試をやっていなかったので、一般入試にチャレンジする気力が起きず、とりやめました。当時はそれとは別に、人づてに主婦で大学院へ行った人を紹介してもらい、お話を聞きにいったこともありました。
大学院受験の勉強をしながら一番悩んだことは、実は40歳を越えてあえて大学院に進むことについてでした。何度も迷いが生じ、受験を辞めてしまおうかと悩んだものです。次回はそのあたりについて書いてみたいと思っています。(つづく) *次回は12月8日更新予定です。
●「賢い女の夫選び・夫育て」 著 森田千恵 監修 田中喜美子 葛゚代文芸社より発行(1,500円・税別)
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