大学院てどんな所? 社会人から大学に入るには? どうして大学院なの?

 

                         森田 千恵の大学院レポート 連載 第4回

                    第4回 社会人、主婦、そして母を経験して大学院に行く意味とは?

                                                                      

管理人からのお知らせ!!

森田千恵さんがTV出演します!!

12月29日(土)午前10:00〜12:00

「ネクストステージ」(BS-JAPAN)  後半部分のトークに生出演!トークのテーマは、今年1年を振り返って、経済的なことを中心に「何が不安か、今後の生活にどういう工夫をしていったらよいか」など。物価、雇用不安、マクロ経済の動向などです。BSに入っているかたは必見です!

  

 私は、高校を出て大学に進んだ頃は勉強が嫌いで、早く社会に出たい、そればかり考えていました。就職率が他の専攻よりもいいという理由だけで文学部の英文科に入り、学ぶことの意味を見つけられない苦しい4年間でした。

そんな私がまさか20年後にこうして大学院に通うことになるとは、夢にも思いませんでした。しかも家事・育児の忙しい毎日の中、睡眠を削って原書や専門書と格闘することになるとは。人生、わからないものです。

大学や大学院に入りなおしたいと、私が最初に思ったのは、今から4年ほど前でした。当時は、再就職をしたばかりで、次女の保育所もまだ無認可園でしたし、2人の育児に手がかかりました。育児アドバイザーの仕事をしていたため、心理学に興味をもっていたのですが、大学院に行くのはまだ無理かなと断念しました。

 その頃の私は、出産前に仕事を手放したことを後悔し、やはり女性の真の自立とは、経済的にも一人前の稼ぎを得ることだと信じていたのです。まずはちゃんと稼げるようになりたい、そう思ったのです。大学や大学院に行くことが「逃避」に見えてしまったとでもいいましょうか。

 

 主婦や社会人経験者で、大学や大学院に行く人が増えてきています。それでもまだまだ少数派ではあります。この年で大学院に入ってどうなるのだろうかと迷う人も多いのではないでしょうか。私もその1人でした。

 昨年度受験勉強をしていても、何度もそんな思いがもたげて来て、受験をとりやめようかと思ったものです。家事、育児、仕事で忙しい中、夜中に勉強をしていると、辛くて辞めたくなることはしょっちゅうありました。

 そんな状況で私の気持ちを支えていたのは、なにより社会学への興味と情熱、なんとかして女性と男性が対等に協力してやっていける社会への道筋を、社会学を通して見つけたいという思いでした。また、一番の支援者である夫も節目節目でよく支えてくれました。

 

今まで、あまり人の目を気にしなかった私ですが、大学に入ってからは色々と気になることがありました。

 学芸大学に入って、最もとまどったのは、周囲の人たちが若い人ばかりだということ。同じ年代の人の中では若く見える方でしたし(笑)、年齢を気にしない方だったのですが、さすがに当惑しました。キャンパスの中は、茶髪や金髪の若者でいっぱい。大学生でも目いっぱいお金をかけてお洒落している女性もけっこういます。

外見はまだいいんですが、一番イヤだったのは「遅刻が多いこと」。授業開始後に教室に入って来る生徒が多いことには驚きます。大学院のゼミでさえ、遅れる人がなんと多いことか。

 でも、ある日気がつきました。彼ら、彼女らは、親のお金で来ているんです。だから急に休講になっても喜ぶし、平気で授業に遅れたり、休んだりします。

 自分の身銭を切って大学院に入ってから、1時間1時間の大切に思えること!

 逆説的ですが、主婦や社会人が大学院に来る良さというのは、大変だけどこんなところにあるのではないでしょうか。自分で考え自分で選び自分で時間を作って自分でお金を払って来ることの重みというんでしょうか。そんなことを噛みしめながら、毎日通っています。

 私など、遅い時間帯の授業(1930分終了)のため、週に1回はNPO保育ママさんや母に子どもの保育をお願いしているので、授業をさぼることを思いつくヒマもありません!というよりも、授業が面白くてさぼる気になれないというのが本当の気持ちです。

 そうは言っても、昨年度、科目等履修生で通っていた頃よりは、中だるみしてくるときもあります。そんなとき、「私は大学院に通うために、子どもを学童保育所に預けているんだ」と思い出すと、しっかりやらなくちゃと気持ちを立て直すことができます。

 

 社会人経験や主婦経験は、人間を成長させているのだと実感しています。大学を出て、何十年も勉強らしい勉強はしていないのだと思いこんでいる人は多いでしょうけれど(私もその1人でした)、実は社会や家庭を通じて、私たちは多くのことを学んでいるのです。

 社会においては、それこそ電話の取り方から、仕事の優先順位のつけ方、色々な人とどんなふうに協力して仕事をこなしていくか、外部の人とはどのように交渉するか。家庭においても、食の安全、育児・教育の問題、男女の関わり方、親族や近所の人とのつきあい、老人介護など、実にさまざまなことをこなし、考えているのです。

 私は、特に専門が社会学ですので、実体験がどんなにか役に立っているか計りしれません。他の分野でも多かれ少なかれ、そう言えるのではないでしょうか。

 「社会人は賢い!」「主婦は優れている!」、これは私が1年半、大学や大学院で過ごして感じたことです。

 

私は、たまたま31歳まで働いていたため、自分の貯蓄がある程度あります。それで大学院に来る費用を賄っています。でも自分の貯えがなくて、たとえば夫に相談して学費を出してもらうとしても、それは夫婦が了解し合っていれば、堂々と勉強していいのではないでしょうか。出してもらった学費は、いわば主婦としてのお給料、そうとらえて大学で学ぶことを自分のものにすれば、後々自分の財産となると思います。家事、育児はいわゆるアンペイド・ワークですが、誰かがしなければならない、大切な欠かせない仕事でもあるのですから。

 

最後に、社会人や主婦が大学院で学んで、それが卒業後に役に立つのか、特に仕事に結びつくのかと問われると、それは未知数だとしか言えません。

学部を出てすぐに大学院に入り、博士課程を修了した人でさえあまり就職口がないことは、「オーバードクター」と言われてよく知られています。経営学や理系の大学院を出れば、もう少し就職に結びつくのでしょうけれど、文系の大学院は一般に就職は難しいのだと思います。

ごく少数ですが、30代、40代で大学院に行って、大学で教鞭をとるまでになった方もいます。もちろん本人の資質や研究業績が優れていたのでしょう。

厳しい状況は覚悟して、それでも大学院で学ぶことは意義があると、私は現在進行形で考えています。このテーマについては、まだ答は出せないというところでしょうか。また、答はこれからの自分の努力にかかっていると肝に銘じています。

 

次回は、大学院に入ってからどんなスキルが役に立ったか、大学院に入ってからの1日の過ごし方、1週間のスケジュールなどについて、具体的な体験を書いていく予定です。どうぞお楽しみに!!

 

●「賢い女の夫選び・夫育て」

 著 森田千恵 監修 田中喜美子

葛゚代文芸社より発行(1,500円・税別)

 

★幸せになりたくて結婚したはずなのに、こんなはずじゃなかったという人がいかに多いことか・・・。

家事、育児、そして仕事も自分らしくこなしている女性たちは、どんな夫を選び、どのように育てていったのか・・・著者が15組のカップルを取材する中で見えてきたのは、結婚前、結婚後の夫との関わり方の変化。夫婦の幸せ、理想のパートナー、自分らしい生き方を探したい人に必読の書です。

第1章 子どもをもつと妻は家政婦兼ベビーシッター!?         第2章  統計に見る日本の妻と夫の家事時間                     第3章 私は夫をこう変えた                         第4章 理想的なパートナー                         第5章 座談会「どう変わる!?結婚前と結婚後の二人の関係」

                                 

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