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第3回「雇用形態、メリット・デメリット」その3「SOHO・在宅テレワーク」
前回のパート就労のお話からずいぶん時間がたってしまいましたが、いよいよSOHO・在宅ワークの話となります。
なぜこんなに更新まで時間がかかってしまったかというと・・・私自身がSOHOや在宅ワークの定義っていったいなんだろうと迷っていたからです。
自由業も自営業もベンチャーの小さい会社も広い意味ではSOHOにあたるし、在宅ワークというと最近多い悪徳業者がよくその名前を使うので、どうしたものか・・・と考えていました。
SOHOというのは、スモールオフィス・ホームオフィスの略とも、アメリカのソーホーからきているとも言われますが、実際WEBの作成やシステム開発やデータ入力を在宅や小さいオフィスで行っているのは「テレワーク」といいます。それらを全部ひっくるめてSOHOの中に入ってくるわけです。
どこからがSOHOでどこからがSOHOでないというものはなく、自分でSOHOですと名乗っているだけです。
私もある意味ではSOHOともいえるのかな。
ここでは皆さんがおそらく一番気になるデータ入力やWEB作成などの在宅テレワークに絞ってお話ししてみようと思います。
●在宅テレワークを選んだ人の理由
いろいろな理由があると思いますが、一番多いのは在宅で仕事ができる環境にあり、会社勤めをしなくてもお金が稼げるようになったから、じゃないでしょうか?男性の場合だと脱サラもしくはリストラがきっかけで始まることが多いようですし、女性の場合は、人生の大イベントの出産で育児との両立のできる仕事とか、育児休暇がなくてやむを得ずとか・・・。また、自分のやりたいことを追求するためにSOHOになった方もいます。
どんな理由ではじめたにしろ、はじめた以上は利益も不利益もすべて自分で責任を負わなければならない立場になるわけです。
それらを後押ししたのは、パソコンとウインドウズ、インターネットやメールの普及が大きいと思います。実際ウインドウズがでてくるまでは、ワープロが主流で、ワープロだと(一太郎とかは別ですが)メールでデータのやりとりなんてできないから、フロッピー渡しとかが多かったです。メールの普及でデータを遠方でもやりとりでき、仕事はむしろ増えているのではとも思います。
●データ入力者の新規参入と悪徳業者
アプリケーションソフトが広範囲に広まり、互換性のあるソフトで仕事ができるようになったのはとてもいいことですが、反面、それまでは特殊な人たちの特殊な仕事だったのが、いっきに「誰でも可能」「素人OK」の仕事へと変貌してゆきました。それと同時に単価の下落や入力者自体の能力や仕事意識も落ちてきたように思います。
そのすきまを狙うように、悪徳業者の横行が最近特に目に付くようになりました。昔からあったのかもしれませんが、最近目に付くようになったのは、それにひっかかる人たちが増えたのと、それでもうかる業者が増えたからじゃないでしょうか?(何でこういう業者に融資がおりて何度でも新しい会社をつくれるのか、謎ですが)
私の掲示板にもときどき「削除しますよ」といっているにもかかわらず、油断すると「誰でもできる仕事です」とか書き込まれてしまいます。
またいろいろなところで、「69万払ったけど仕事もらえるのでしょうか?」とか「登録するのに1万かかるけど元がとれるのでしょうか」という話をきくたびに、思わずためいきがでます。
一応いくつか悪徳業者のパターンがあるのでご紹介しておきます。
・いっつも募集していてなおかつ「誰にでもできる仕事」「こつこつやれる真面目な人」「資料請求してください」「手のあいているときにできる簡単な仕事です」っていう言葉がある。
・誰でもでき、自宅で高収入
・初期登録料がかかる(1万〜3万ぐらい)
・仕事を受けるためには講座を受けることやパソコンや教材をそこの会社から購入するのが条件
上記のどれかにあてはまったら、まず疑って間違いないと思います。
ネットワークビジネスやマルチまがい商法だったり、いわゆるパソコンを買わせる内職商法だったり、教材会社が教材を売るためにあたかも仕事があるかのように見せかける広告だったり、ただの詐欺だったりします。どちらにしてもいいことはありません。
人材派遣会社でも、人材紹介会社でもアウトソーシング会社でも、まず仕事が欲しい人から連絡があったら、「登録のために履歴書と職務経歴書を持参・もしくは提出してください」というはずで、資料を送りますとはいわないですよ。クライアントから仕事をいただき、それを請け負う業者がほしいのは労働力であって、登録した人からお金をもらうことではないです。(お金は労働の対価としてクライアントに請求するはず)だから、そういう人からお金をとるということは労働してもらうというのでなく、顧客としてみているからだと思います。(いわゆるカモですね)
だからこういう業者からはおそらく仕事はこないし、次々と商品を買わされるのがおちです。こういう業者の掲示板へのカキコミに対して罰則金をとるサイトも出現しました(30万だそうで、よっぽどしつこかったんですねぇ)まあ、うちの店の前で客でもないのに違法駐車した人は1万もらいますよ、というのと同じでしょうか?とりあえず当社では様子をみてます。あまりしつこくやられたら、考えてしまうかも。なぜかというと、そのカキコミをうちが承認したと勘違いされると困るからです。見つけ次第削除してますけどね。こういう会社とうちが関係があると思われるのも大変迷惑な話です。
ちょっと怒りモードになってしまいましたが、それというのもこういうのにだまされる人が最近とくに多いようなのです。ちょっと考えればわかると思うのですが・・・。皆さん、どうぞ気をつけてください。それと、こういうのにだまされると、「だから在宅ワークって」みたいなことを広めてしまう初心者の方がいます。これもまともにビジネスをやっている人たちからみると大変迷惑な話です。
データ入力は誰にでもできそうだけど、誰にでもできるわけじゃありません。当社では守秘義務を確実に守れる方、納期を守れて、スキルのある方(資格はその方の経歴で判断)、ビジネスマナーや社会常識のある方、正社員経験3年以上、もしくはSOHOや派遣社員経験5年以上の方にお願いしています。必ず職歴書か履歴書を提出していただいた上で、面談するか、遠方の場合は電話にて必ずお話しをさせていただいています。いわゆる「顔の見えない人」には頼めません。
●「初期投資はいらないんですね」「私、メールたまにしか見ないんです」
つい最近、「データ入力やりたいんですけど、どうすればいいですか?」というメールをいただき、説明のメールを送ると、上記の返事がかえってきたことがありました。
先のは、彼女の「全てそろっていないとできないでしょうか」という質問に対し、「はじめから全てがそろってなくても大丈夫ですよ」と答えた返事で、後のは、はじめの熱心そうなメールにも関わらず何の返事も返ってこないし、職歴書も送ってこないので、どうしたのかなと思って出したメールに対しての返事です。
はじめの方(仮にAさんとしましょう)Aさんは、おそらく悪徳商法にひっかかった経験者じゃないかと思われます。で、上記の返事に対し「初期投資というのがどれをさすのかわかりませんが、当社に支払うことをおっしゃっているのであれば、必要はありません」と答えたのに対して、今度は「安心しました。私はワープロしかもっていませんし、FAXもないので。メールは夫が会社のパソコンをときどき家にもってきてくれるのでそれで打っています」
このAさんは、本当に仕事したいんでしょうか?私は頭をかかえてしまいました。彼女から送られてきた職歴書にはこちらが知りたいパソコン環境や彼女自身の職歴についての説明がありませんでした。パソコンは別に夫と共有でもかまわないけど、少なくとも夫婦で共有する場合は自分のパスワードでログインして、相手が見れないようにしなくてはいけないし、夫の会社のパソコンならもう問題外です。(本人所有でなければ困るので。夫婦といえども仕事は別ですし)今はワープロの仕事もないですし、第一ワープロではメールで送れませんね。FAXがないならそれなりの仕事しかできないけど、もうこの時点で、スキル的にも、簡単な仕事でも無理だと考え、登録申し込み書をお送りしないことにしました。
少なくとも仕事ができる環境を自分で工夫してつくることは、仕事をするはじめの一歩じゃないかと思います。パソコンの貸し出しをするとでも思ったのかもしれませんが、もし自分にPC環境がなくてそれでも仕事をしたかったら、派遣などに登録して仕事をすることができるはずです。自分は何も工夫せず、努力せず、なんとなく在宅でやれそう、って考えていらっしゃるAさんのような方が、「すべてこっちで用意するから、買いなさい。そしたら仕事あげるよ」という態度の悪徳業者にだまされても無理はないな、と痛感したできごとでした。でもはじめにだまされて出費したことをバネに頑張る初心者の方もいらっしゃるので、ぜひ再起して「仕事のできる環境に」してから頑張ってほしいと思います。
次のBさんは、ようやく送ってきたメールには「メールをたまにしかみない」ことと「週に2,3回で1日1時間ぐらいしかできない」こと以外に「〇〇だからこういうことはできない」「急ぎの仕事はできない」などなど、なんとそのメールの中には「〜ない」という言葉が10個近くありました。すぐにお断りのメールを書き、「できる状況になったらまたご連絡ください」と結びました。向こうから仕事をしたいといってきたのに、これだけマイナスのことばかりかかれたのでは、仕事の姿勢を疑うし、そういう人に無理にお願いしなければならないほど人手がたりないわけではありません。
在宅で仕事をするということは「自分が手のあいたときに仕事ができる」ことではなく、「仕事のためにいくらでも時間をつくれる」ということです。それはメリットでもありデメリットでもあります。もちろん、仕事がきて、請けるも請けないも自由だし、自分の都合にあわせて請けられる仕事でもあります。だから自己管理能力と責任感がないと続きません。
Aさんはもしかしたら、環境がそろえばがんばれるかもしれませんが、Bさんは環境以前の問題で、できる環境になってもいろいろ理由をつけて自分でやれなくしてしまうでしょう。
仕事を本当にやりたい人はどんなことがあってもやるし、障害にもめげません。リストラや出産などで辞めざるを得なくなっても、自分でスキルを上げて、チャンスを待ちます。何かを理由にやらない人は、環境が整っても新しい何かをみつけてそれをできない言い訳にします。
在宅テレワークを自分1人でやれる人は、(しかもそれがきちんと仕事として成立している人は)たぶん会社勤務もOKだし、起業も可能でしょう。派遣社員でも高く評価されると思います。それだけこの仕事でやっていくのは自己管理能力や営業力や問題解決能力などいろいろなものが必要だからです。
人はたくさんいても、人材は不足しているというのはどこの世界も同じかもしれませんね。
幸い、今まで一緒に仕事をしているスタッフの方々は大変優秀でしかもとても向上心があり、つくづく今までが恵まれていたことを知りました。これからたぶん、Aさん、Bさんのような方が増えるのだと思いますが、仕事をする姿勢、環境があれば初心者、初級者にもチャンスはあると思います。失敗や苦い経験も薬と思って、次へのステップを踏んでくれたらいいのですが・・・。初心者がグループの中にいることは実はそれほどデメリットというわけではないんです。その人がいることにより、ベテランや慣れた人たちが、自分が在宅テレワークをはじめた初心を再認識できたり、そういう人たちが頑張ってスキルアップしていく(伸びがとても早く、ちょっと教えたらエクセルもワードもすぐにマスターしてしまった方もいます!)ことはグループの刺激にもなるし、はじめは社内の仕事しかお願いできなくても、経験を積めば戦力にもなってゆくからです。ただ誰でもというわけではないし、教えながら仕事をさせることは私の負担になってしまうので、そういう資質をもった人だけですが・・・。
●在宅テレワークのメリット・デメリット
在宅ワーカーにとっての悩みは、家が職場になることではないでしょうか? 本来くつろぎ、休める場所が職場になっているわけです。家が広いならともかく、マンションなどで仕事をしていると、仕事と自分の時間の切替えが難しいんじゃないかと思います。やろうと思えば365日、24時間営業できますし、やらないと思えば1年休暇がとれます。どこまでが仕事の時間でどこまでが休憩時間なのか自分で決めない限り誰も決めてはくれません。
このへんが自己管理能力が問われる部分ですが、仕事も休憩しないと能率があがりません。私は一応ほとんどのクライアントの始業時間と終業時間にあわせて、9:00〜18:00と決め、あとは残業というふうに決めています。もちろん私の場合は経営者でもあるので、24時間体制ではありますが、深夜にまで及ぶ仕事の場合、深夜残業をしていると思って仕事をしています。そして仕事のない日には思い切って半日はお休みした気分で、家の用事や友人とのランチに出かけたりします。そういうときでも必ず会社の電話は応対できるよう携帯に転送するようにしています。
オフィスを持ってそこで仕事をしているSOHOとの決定的違いは残業しても帰らなくていいということです。もちろんオフィスもっていてもそこに寝泊りしているワーカーもけっこういるみたいですが、やはり在宅だからこそ無駄なく仕事ができるメリットもあると思います。(それがデメリットとなることもありますが、仕事をする面ではメリットの方が大きいです)
在宅テレワークは仕事を請けるかどうかを自分で決定できます。請けるのも断るのも自由です。ただし断ってばかりだとそのうちこなくなってしまいます。またたいていは出来高払いなので、納品しなければいくら仕事をこなしてもお金を請求できません。仕事が完成しなくても時間中仕事をすればもらえるパートやアルバイトや派遣と決定的に違うところがここです。
また、自分のPCで仕事をするわけですので、そのセキュリティ、メンテナンス、PC環境を整える、新しいソフトを買うなど、仕事を請けるための経費は必要です。ですから、請け負った金額が支払われても、常にこれらの経費がかかっていることを念頭において仕事をしてゆかないとなりません。一見収入がありそうでも、実は経費を計算すると本当の収入はもっと少ないことになるのです。
上記のAさんBさんのところで「初期投資はいらない」という話をしましたが、それは仕事をオーダーする方に支払う必要はないということであって、Aさんのように「自分のPCはありません、FAXもありません」では仕事になりません。最低限自分でPC環境をもっていないと、どんな簡単な仕事でも請けられないのです。でもこれらはそんなに高額な金額で一式そろえる必要はなく、少しずつそろえてゆけばよいのです。中古品の部品でPCを組立てたり、ソフトも必要最低限のものがあればいいです。プリンターやスキャナーは、出力校正をしなければいけない仕事や画像を扱う仕事でなければ必要ないので、(もちろんあった方がいいですが)そういう仕事を自分が請けたいと思ったときに購入すればいいと思います。ウインドウズのソフトはできればプロフェッショナルをそろえておくことをおすすめしますが、「圧縮、解凍」ソフトなどは、シェアウェアやフリーで手に入れることができます。ウイルス対応ソフトはセキュリティのために購入しておく方がいいでしょう。ウイルスで大切なデータがやられてしまっては仕事に支障をきたしますので。
あと、自分で営業をしなければ仕事はきません。ホームページをつくり、名刺をつくって、知り合いや友人に仕事をお願いするのも有効な手段です。全く新規の会社に飛び込み営業をするのはなかなか勇気がいることですが、それをできる人はやってみる価値があると思います。最近はネット上でさまざまなSOHO向けの情報サイトがあり、求人・求職を扱っているものもありますので、そこに登録するのもいいでしょう。あとSOHOグループを紹介してもらうとか、アウトソーシング会社に直接登録するのもいいと思います。いずれにしてもいつでも自分がクライアントからの連絡を受けられる状態にしておかなければ、いい仕事も逃してしまいます。Bさんのように「たまにしか見ない」とメールで仕事の連絡をしても連絡がなければ、やる気がないと思われてしまいます。請ける場合も請けない場合も仕事の連絡に対してはきちんと返事をするのがマナーです。3日以内にやってもらいたい仕事のメールの返事が2週間後にきたのではアウトです。
●これからの在宅テレワーク
上記のAさんBさんのような方の参入もある一方で、いわゆる初期の頃からずっとやってきている人たち(いわゆるベテランソーホーと呼ばれているようですが)から見ると、今の素人参入の状況に対して苦々しく思い、単価が下がってきているのもそういう人たちがまともな仕事をしないからと思っているようです。
確かにそういう側面も多いことは事実です。アウトソーシング業者の中にはあまりにも成果物の精度が落ちたために、ペナルティを設けたり、事前にトライアルをさせたり、校正者を単独でたてて入力者の単価を下げたりするところが増えたようです。中には仕事を途中で放り投げて、会社に損害を与えた人もいるようで、苦い思いをしている業者もいるようです。
でも一方で、ベテランソーホーの中にも、「昔はあんなに単価が良かった」とバブルやバブル以前の単価をひきあいにする人もいます。確かにその頃は参入する人も少なく、単価も比較的高かったと思います。でも、実情を考えると相場というのは常に動いていますし、状況も日々変わっています。確かに不景気だけど、アウトソーシングはむしろ加速してゆくんじゃないかと私は思います。そして本当にきちんとしたスキルをもった人だけが適正な単価で仕事ができる時代になったのではないかと思います。ベテランといっても、日々の状況にあわせてこのドッグイヤーを生き抜くために努力してゆかなければおいていかれてしまいます。新しい技術がすぐ古い技術になってしまいますから。
そう考えると在宅テレワークは、これからは仕事も業者もSOHOも厳選され、淘汰される一方、仕事の裾野はさらに拡大していくのではと思います。
(次回は「雇用形態、メリット・デメリット」その4「正社員・事務職」です。
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